交通事故を防ぎ、安全運転を支援する先進技術

交通事故の現状

交通事故の発生件数は、年々減少傾向にあります。交通安全白書(図1)によると、平成28年の交通事故発生件数は約50万件で、ピークだった平成16年と比較するとほぼ半分になりました。交通事故による死者数も4,000人を切り、今ほど車の普及が進んでいなかった昭和20年代前半の数値に匹敵するところまで減少しています。警察庁では、道路整備や信号機の設置など国を挙げて事故抑止対策が進められたことや、車両の安全技術が向上したことなどが事故の減少につながっているとしています。医療の発達で救える命が多くなったことも、大きな影響を及ぼしているでしょう。

図1 道路交通事故による交通事故の発生件数、死者数、負傷者数及び重傷者数の推移

  • 注1 警察庁資料による。
  •  2 昭和41年以降の件数には,物損事故を含まない。また,昭和46年までは,沖縄県を含まない。
  •  3 「死者数(24時間)」とは,交通事故によって,発生から24時間以内に死亡したものをいう。
  •  4 「死者数(30日以内)」とは,交通事故によって,発生から30日以内(交通事故発生日を初日とする。)に死亡したものをいう。
  •  5 「死者数(厚生統計)」は,警察庁が厚生労働省統計資料「人口動態統計」に基づき作成したものであり,当該年に死亡した者のうち原死因が交通事故によるもの(事故発生後1年を超えて死亡した者及び後遺症により死亡した者を除く。)をいう。なお,平成6年までは,自動車事故とされた者を,平成7年以降は,陸上の交通事故とされた者から道路上の交通事故ではないと判断される者を除いた数を計上している。

出典:「交通安全白書」(内閣府)

こうした中で、あらたなリスクも生まれています。日本で急速に進む「高齢化」です。75歳以上のドライバーは、平成28年の時点で約513万人。5年後の平成33年には613万人になると推計されています(図2)。高齢者ドライバーの交通事故がたびたびニュースになっているのは、日本全体で高齢者の割合が増えていることも一因です。交通事故による死亡人数も高齢者が多くなっています。平成28年に交通事故で亡くなった3,904人のうち2,138人が65歳以上の高齢者(図3)。全体の半数以上となり、過去最高の割合になりました。

図2 75歳以上の運転免許保有者の推移

  • 注1 警察庁資料による。
  •  2 平成29年以降の数値については運転免許保有者数逓減率による推計(平成29年2月実施)

図3 交通事故死者及び人口10万人当たり交通事故死者数の推移(平成18~28年)

  • 注1 警察庁資料による。ただし,「10万人当たり死者数及び人口と事故死者数の関係(平成18?28年)」については,内閣府作成。
  •  2 算出に用いた人口は,各前年の総務省統計資料「人口推計(各年10月1日現在)」(補間補正前人口)又は「国勢調査結果」による。以下同じ。
  •  3 寄与度:ある項目の指数の変動が、総合指数の変化率にどの程度寄与したかを示したもの。

出典:「交通安全白書」高齢者を取り巻く現状( 内閣府)

年齢を重ねると、判断力が低下したり、危険の視認やとっさの反応が遅れたりする場合があります。歩行中の事故では、横断歩道以外の場所で横断してくる高齢者と接触するケースが多いそうです。近年は、認知機能の低下が原因と見られる高齢者ドライバーが引き起こした交通事故も多くなっています。今後、高齢者がかかわる交通事故がいっそう増えることが予測され、車を運転する方ならだれもが無関係ではありません。走行する道路の状況や周辺環境に応じて、早めの減速やブレーキの準備など、高齢者による事故のリスクに備えた運転を心がけることが求められます。

事業用自動車事故の現状と課題

お客様の命や財産を預かる事業用自動車の運転では、自家用車以上に高い安全意識が求められます。しかし、飲酒運転をはじめ、重大な違反行為による事故は依然としてなくなっていません。事業用自動車の飲酒運転による人身事故は、平成28年度にも54件発生しており、前年よりも増加。乗務中に覚せい剤や危険ドラッグを使用した事案も発生しました。近年は乗務中にスマートフォンを操作する「ながら運転」で摘発されるケースも多発しており、死亡事故も発生しています。

平成28年の事業用自動車による事故件数は33,336件。死者数は363人で、全交通事故の1割ほどを占めています(図4)。減少傾向とはいえ、プロドライバーが関わった事故と考えると、決して少ない数値ではありません。乗合バス、トラックの交通事故による死者数は前年より減少しましたが、貸し切りバス、タクシーでは前年に比べて増加。いずれも対人事故では、「歩行者横断中」に発生した事故が多く、他車との事故では「追突」が多くなっています。また、トラックやバスなど大型車両は、運転席からの死角が広いことがリスクのひとつであり、右折時の接触事故や、左折時の巻き込み事故が依然として頻発している現状があります。

図4 業務用自動車による交通事故死者の推移

  • 出典:警察庁「交通統計」 (公財)交通事故総合分析センター「事業用自動車の交通事故統計」

出典:「事業用自動車の交通事故統計の概要」(国土交通省)

平成28年に発生した軽井沢スキーバス転落事故や、山陽自動車道の八本松トンネルで起きたトラック追突による多重事故など、業務用自動車による重大事故は予期せず発生します。ひとたび事故が発生すれば、ドライバーのみならず雇用主である会社にも厳しい目が向けられるのは免れられません。事故の直接的な原因はドライバーの運転操作ミスや安全確認不足によるものでも、従業員の健康管理や労働環境など、会社側の体制や安全意識も問われることになります。運輸業界だけにとどまらず、営業などで業務中に車で移動する場合も同様です。車両を保有するすべての企業が、社会的責任、従業員の安全のために、交通事故防止に取り組むことが求められています。

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