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2021年3月19日

小室淑恵が掲げる、アフターコロナの働き方改革とは

コロナ以前からテレワークを推奨・実践していた株式会社ワーク・ライフバランス 代表取締役社長の小室淑恵氏が、アフターコロナ時代の働き方のヒントを語ります。

1.  企業は “コロナ前”に戻りたがっている?

2020年、新型コロナウイルス感染症への対策として、テレワークを導入した企業も多いでしょう。とはいえ、すべての企業がテレワークにうまく対応できているわけではありません。株式会社ワーク・ライフバランス代表取締役社長の小室淑恵氏は「単に一時的な危機だと捉えている企業と、今後も働き方改革を進めるべきだと捉えている企業との二極化が進んでいます」と指摘します。

「日本では少子高齢化の進行によって、すでに労働人口は減少に転じていて、その対策として従来の働き方を変える必然性が高まっていました。コロナ禍でこの状況が加速したと捉えた企業は、働き方改革に投資し、マネジメントや評価方法を根本的に変えています。

一方、今は一時的に働き方を変えているものの、早く以前の状態に戻りたいと考えている企業は、投資もせず、マネジメントも変えていません。ただ耐え忍んでいるだけで、生産性が落ちてしまっている状態です」(小室氏)

小室氏はアフターコロナの時代においても、テレワークで生産性を高めていく必要があると指摘します。なぜなら、労働力人口が減少していく中で、今後も営業や会議で直接取引先に足を運び、顔を合わせる対面型を重視していると、仕事が回らなくなってしまうからです。

「これからはコミュニケーションや意思決定に最適な手段が、対面か、オンライン会議か、メールなのか、状況に応じて切り替えていかなくてはなりません。コロナ禍の今は、対面でなくても失礼ではありません。むしろ、対面が危険とされる状況です。いまこそ考え方の壁を越えるチャンスです」(小室氏)

2.  朝と夜にメールを送ろう

テレワークになかなか舵を切れない企業は、どうすれば良いのでしょうか?小室氏は、テレワークを推進するための重要な要素として「仕事の見える化と共有化」「社員の時間自律性の向上」「マネジメント層による心理的安全性の高い環境づくり」の3点を挙げます。

1点目の「仕事の見える化と共有化」について、小室氏はテレワークにおける仕事の属人化を防ぐ狙いがあるとします。

「属人化した仕事の進め方をしていると、リモートワークでは誰が何をしているかまったくわかりません。そこで、1日の仕事の流れや内容、どの人にどんなスキルがあるのかといった情報を見える化し、共有することが重要になってきます」(小室氏)

小室氏は仕事の見える化に役立つ手法として「朝・夜メール」を挙げます。これは、1日の仕事を始める前に、当日の予定をチームにメールする「朝メール」と、1日の終わりに予定通り仕事が進んだかを報告する「夜メール」のことです。小室氏の会社では、朝・夜メールを出すことを条件に、在宅勤務を許可していたそうです。

この朝・夜メールは、2点目の「時間自律性」を養う際に役立つといいます。時間自律性とは、日ごろから仕事に優先順位を付け、所要時間を見込んで段取りよく業務に取り組むことです。

「子どもの頃から、あらかじめ決められた時間割に沿って受身の教育を受ける日本では、時間を自律的に使う訓練がまったく行われていません。そのため在宅で一人だと、どの仕事をどの順序でやるべきか、うまく組み立てられない人もいます。

朝・夜メールは、時間自律性のトレーニングにも有効です。これまで社内で時間自律性をトレーニングする仕組みがなかった企業にこそ、この手法を取り入れてもらいたいです」(小室氏)

3点目の「心理的安全性の高い環境づくり」は、「在宅でちゃんと仕事をしているか、会社に疑われているのではないか」という不安の声に対応するものです。

「一般的に、人は不安になるとアリバイ作りのような仕事をして、『仕事をやっている感』を出すようになってしまいます。しかし、本質的な仕事に集中して取り組むには、お互いを信頼して組織内で心理的安全性を高めることが重要です。マネジメント層が威圧的に指示や命令をせずに、一人ひとりの仕事をしっかり観察し、声をかけることが大切です。経営層が、こうした職場環境を実現するための研修を受けてもいいでしょう」(小室氏)

株式会社ワーク・ライフバランス
代表取締役社長

小室 淑恵氏

3.  「無言」の会議は、実は効率的!?

テレワークを導入している企業では、Web会議も頻繁に行われているでしょう。小室氏のワーク・ライフバランス社では、1000社以上に対するコンサルティングと自社での実践によって裏付けられた働き方改革のアイデア集として、Withコロナ時代の働き方『100のアイデア集』」を無料公開しています。

小室氏はその中から、「無言の会議」の重要性を指摘します。Webか対面かを問わず、会議では、担当者が淡々とプレゼン資料を読み上げる光景がよく見られますが、発表に時間を割くことで、会議の本来の目的である「次のアクションを決める」段階までたどり着けないことがあります。これを、「発表」の代わりに「黙読タイム」を設けることで解決。事前に発表者が用意した資料とメモを、会議の始めに5分間、参加者が黙読するよう勧めています。

「あらかじめ内容が頭に入っていれば、各自の発言への理解が高まりますし、黙読の方が口頭での説明よりも時間短縮できます。それまで発表だけで1時間かかっていた会議でも、発表の時間を短縮することで、次のアクションを議論する時間の余裕が出てきます。Web会議なら、共有した資料のコメント欄を使うことで質問もしやすくなり、より効率的な会議ができるでしょう」(小室氏)

会議では、出席者にさまざまな役割を割り振ることも大切だとしています。進行役(ファシリテーター)や議事録の記録係はもちろん、議論活性化のため積極的に、ときに大げさに反応する「反応係」や、話が脱線した場合に注意を促す「脱線注意係」など、全員に役割を与えることで、皆が議論に集中し、それぞれが主体的に会議に参加するようになるといいます。

「例えば反応係は、発言者がより話しやすくなるように相づちを打つようにします。これを威圧的な雰囲気の人にやってもらうと、それまでその人が怖くて意見が出せなかった人も話しやすくなる効果があります。同時に反応係を担った人も、これまで自分が周りを萎縮させていたことに気付き、その後の会議でも態度が変わっていきます」(小室氏)

チームワークを高め職場改善を進めるアイデアとして、小室氏は「人を憎まず仕組みを憎む」ことが大切だとアドバイスします。誰かがミスを起こしてもその人を責めるのではなく、ミスが起こった背景を議論し、再発防止に向けた仕組みを考えるようにするのです。

「人は責められると、ミスを隠蔽するようになります。すると責められた場面に居合わせた人は、ミスをしたとき同じように隠蔽するかもしれません。再発防止のためには人を責めるのではなくミスを共有し、仕組み改善に向けた議論をしなくてはなりません」(小室氏)

4.  ホウレンソウのホウは「報告」→「放任」

小室氏の『100のアイデア集』の中には、日本に昔から存在するビジネス用語「ホウレンソウ」も含まれています。ですが、その意味は「報告・連絡・相談」ではなく、「放任・連携・相談」と定義されています。

「ホウレンソウの意味を変えたのは、社員に権限を移譲し、本人が判断できることを重視するためです。リーダーは普段から方向性やビジョンを共有し、メンバーから何か相談を受けた際にはすぐに答えを出さず、本人の考えを引き出すように放任します。放任することで、メンバーは自ら判断するようになり、判断ができるメンバー同士で連携するようになります。すると何でも相談する環境ができます」(小室氏)

「部下の意識が低いと感じる人は、役員しか知らない情報がないか確認してみてください。情報共有ができていないと、それぞれの視点が離れていきます。情報共有を重視し、常に全員に意見を求めることで、全員が同じ船に乗り全員で操縦できるのです」(小室氏)

ワーク・ライフバランス社では、この意識を社員全員で共有しているといいます。

5.  トップダウンよりも成功事例の共有を

小室氏は、働き方改革を実践し、生産性を飛躍的に上げるためには「全員が課題を出して改善策を考え、アクションを決めて、実現するまで定期的に進捗状況を確認すること」を挙げます。中でも重要なのは社員自らが主体的に課題を話し合い、取り組むことだと強調します。

「残業を減らそうと、人事や上司が会議時間に制限を設けるなど独自にルールを決めると、例えそれがいい手法だったとしても、社員に『やらされている感』が出てしまいます。抜け穴を探す人が出てしまえば、ルールは定着しません。

トップダウンで決めたルールを押し付けるのではなく、成功事例を全社で取り上げ、ほめて広めるようにするようにしましょう。経営層が全社的に決めたルールより、部署単位の成果をほめて他部署にも共有すれば、自分の会社に適した、独自の“100のアイデアが生まれるはずです」(小室氏)

東京大学 森川博之教授

<インタビュイープロフィール>
小室淑恵(こむろ よしえ)
ワーク・ライフバランス代表取締役社長。1000社以上のコンサルティング実績を持ち、残業を減らして業績を上げる働き方改革コンサル手法に定評がある。残業を削減した企業では、業績と出生率が向上している。産業競争力会議民間議員、経済産業省産業構造審議会委員、文部科学省中央教育審議会委員を歴任。2児の母。

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