2019年7月16日

人材難が解消!?地域企業のテレワーク事例とは?

場所を選ばない働き方「テレワーク」。実は、大都市圏の企業だけではなく、地域企業の活性化にも有効なようです。そのことを裏づける成功事例をいくつかご紹介します。

1. テレワークの効果は中小・地方の企業にも

テレワークとは、ICTを活用し時間や場所の制約を受けずに働く勤労形態です。「テレワーク・デイズ」という、日本政府主導のテレワーク国民運動が2019年も開催されます(期間2019年7月22日~9月6日)。

日本政府は、テレワークによって人材の有効活用が促進され、かつ、労働の生産性も高められるとし、その導入を広く企業に呼びかけています。実際、テレワークの導入は、会社と社員の双方に多くのメリットをもたらす可能性があります。

たとえば、下記のようなことが考えられます。

・営業担当が外回りの合間にオフィスに戻る時間を削減、移動時間を短縮
・介護や育児で出社が困難になった方が自宅勤務により活躍し続けられる
・遠方に住む優秀な人材を社員として活用できる

あわせて、働きやすい職場づくりに積極的な会社として、人材採用面で優位に立てる可能性もあります。これらのメリットは、中小規模の企業にも「人材難の解消や業務効率のアップにつながる」と考えられているようです。その証拠に、テレワークの推進に意欲を示す中小企業の数は一定数あり、前年のテレワーク・デイズにおいても、参加団体の50.3%を従業員99名以下の企業・組織が占めていました(図1)。

図1:2018年テレワーク・デイズ参加団体(テレワーク実施団体)の規模別内訳(n=1,260団体)

とはいえ、世の中の企業のほとんどは中小規模です。テレワークに積極的な企業を比率で考えると、中小企業は、中堅・大手に比べてテレワークに消極的といえます。

しかしながら、総務省の「平成29年通信利用動向調査」によると、従業員300人未満の企業でも10.2%が「テレワークを導入している又は導入予定」と回答しています(*1)。

約360万社といわれる日本の中小企業数を考えると、相当数の企業がテレワークを導入していると予測できます。

また、テレワークには、会社の所在地とは関係なく、導入企業に等しくメリットをもたらしうるという特性もあるようです。つまり、巨大都市から遠く離れた地域の中小企業でも、テレワーク導入によりメリットが得られる可能性があるということです。

次節では、そのことを裏づける総務省の資料『平成30年度「地域企業に学ぶテレワーク実践事例集」』(*2)から、注目すべき成功事例のエッセンスをご紹介します。

2. 地域企業の実践と成功

以下では、テレワークで成功した4つの地域企業の例をご紹介します。

■テレワークで若手の採用難を克服

最初にご紹介するのは、富山県の建設会社の事例です。

従業員数約90名のこの会社では、2010年に育児中の社員を対象に在宅勤務(テレワーク)を制度化し、仕事と家庭の両立をバックアップする体制を整えました。結果として、社員を大切にする企業として若い世代の支持を集め、それまで苦労していた若い働き手の採用が進み、今日では10代後半から20代の社員が全体の約3割を占めているといいます。

また同社では、テレワークを展開する社員とのコミュニケーション/情報共有を活性化する目的でクラウド型のグループウェアを導入しています。これにより、社員がどこにいても会社の情報や設計図などをパソコンで確認できる環境が整えられました。さらに、グループウェアとスマートフォンの連携によって、現場の点検作業や業務報告がかんたんに行えるソフトウェアも開発し、テレワークの効率化に役立てています。

■残業“ゼロ”の実現に向かう弁護士法人

京都府に本拠を構え、4人の弁護士を擁する、ある弁護士法人も、女性スタッフの出産を契機にテレワークによる両立支援の取組みを始動させました。2015年からは、所属弁護士全員にテレワークを適用しています。その取組みとあわせて、スマートフォンの内線電話化やテレビ会議システムの導入などのIT施策を展開し、弁護士スタッフの移動時間の低減に役立てています。加えて、クラウド上でのスケジュール/日報の共有化によって、スタッフ全員の仕事の進捗状況を把握し、個々の作業量を調整しています。これにより、スタッフ全員の残業をゼロに近づけているといいます。

■サテライトオフィス開設で社員数が2年で約4倍

一方、徳島県のITベンチャーは、サテライトオフィスの開設によって、社員数を2年で約4倍に増やしています。

同社は2003年の設立当初、東京本社と徳島県徳島市にオフィスを構えていましたが、人材採用がうまく進まず、業績も伸び悩んでいたといいます。

そこで2012年に人材採用の強化をめざして、テレワーク用のサテライトオフィスを徳島県内に開設。趣味と仕事を両立させたい人材を集めました。その施策が功を奏して、2012年時点で7名だった社員が2年間で約30名へと一気に拡大したようです。そのサテライトオフィスでは農耕や狩猟など、仕事以外の趣味を大切にする人材が活躍しており、同社をモデルにした映画も制作されたようです。

■移動による時間のロスを減らし残業時間を6割減

長野県に本社を置く従業員130名(うち8割が女性)の外国語講師派遣会社では、家庭の事情によってスキルを持った女性社員が退職を余儀なくされる状況を問題視していました。その問題を解決するために同社が2016年にスタートしたのがテレワークです。

同社による講師の派遣先は県内各所にあり、社員がオフィスに出社してから派遣先に向かうよりも、それぞれの自宅から直接出向いた方が早いことが多くあるようです。テレワークの導入は、そうした合理的な移動を可能にし、結果として、社員の残業時間は6割も削減されたといいます。そうしたワークライフバランスの改善によって、社員のモチベーションは以前にも増して高まり、それぞれの業務効率も向上しているようです。

3. テレワークをはじめるためのIT環境とは?

前節でご紹介した事例は、テレワーク導入で成功を収めた企業の一部の事例にすぎません。総務省の事例集だけを見ても、テレワークによって相応のメリットを手にした地域企業の例は、ほかにも数多くあります。

では、テレワークをはじめるためにはどのような環境を整える必要があるのでしょうか?

ワイナリーのテイスティング用サーバーは松坂さんの自作品。

複数の方式が考えられますが、そのひとつとして、リモートデスクトップのソリューションを使うという手があります。リモートデスクトップとは、手元にあるスマホやパソコン、タブレットから社内にある自分のパソコンを遠隔操作するシステムです。このリモートデスクトップのソリューション選びで重要になるのは、情報セキュリティの強固なものを選ぶことです。

あわせて、前述の事例でも登場しているクラウド型グループウェアの導入も有効です。というのも、インターネット上で組織内でのスケジュール確認やタスク共有、チャットやWeb会議ができるので、どこからでも仕事に必要な情報にアクセスできたり、リアルタイムのコミュニケーションをとることが可能になるためです。

Biz Solution by docomoでは、中小企業のテレワーク実践について、一般社団法人日本テレワーク協会(*3)事務局長の富樫美加さんからお話をうかがったシリーズコラムを公開しております。

上記のシリーズでは、テレワークについてのありがちな誤解の解説や、導入の際のさまざまな負担を軽減する公的支援の窓口の紹介などもご紹介しています。こちらもあわせてご覧ください。

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