お問い合わせ

法人向けサービスについて詳しく
知りたい方はこちら

メールマガジン登録

最新モバイル活用事例などの
最新記事を受け取りたい方はこちら

2020年7月15日

テレワークの生産性低下を防ぐには!?

感染症対策を契機にしたテレワークの導入が加速していますが、最新調査ではテレワークの生産性の低下が指摘されています。その実態と対策について考えます。

1.  企業がテレワークを導入する目的と効果

コロナ禍の影響により、多くの企業がテレワークの導入を余儀なくされました。しかし、こうした緊急時以前から、国をあげてテレワーク導入は推奨されていました。本来、導入する側の企業からは、どのような効果が期待されていたのでしょうか。

テレワークの導入目的の1位は労働生産性の向上

総務省の発表する「令和元年版 情報通信白書(*1)」によると、企業がテレワークを導入する目的は、「1位:労働生産性の向上」「2位:勤務者の移動時間の短縮」「3位:通勤弱者への対応」となっています(図1)。

図1:企業のテレワーク導入目的の推移

企業のテレワーク導入目的の推移

総務省「通信利用動向調査」各年版をもとに編集部にて作成

2.  テレワーク導入後の生産性

企業がテレワークを導入する主な目的は労働生産性の向上です。今年は「コロナ対策」を目的として、テレワークの導入が加速したという現状がありますが、本来の導入目的であった生産性はどのような変化が起こったのでしょうか。内閣府が発表した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査(2020年5月25日~6月5日に実施し、15歳以上の登録モニター10,128人が回答)」では、総論として次のような結果が目立ちます(*2)。

テレワークによる生産性の低下

・全体の47.7%が仕事の効率性や生産性が低下したと回答
・全業種において、生産性の改善効果は限定的
・テレワークの実施率が高い業種では、労働時間が減少

業務の効率性や生産性が低下する要因

業務効率や生産性が低下する要因は、「コミュニケーション」と「仕事の進め方や環境」の2つに分類できます。

1)コミュニケーションに関係するもの
・社内での気軽な相談・報告が困難
・社内の打合せや意思決定の仕方
・仕事の進捗状況の確認や共有の仕方
・大勢で同じ場所に会することができない
・画面を通じた情報のみによるコミュニケーション不足やストレス
・テレビ通話の質の低さ(タイムラグ、音声や映像の乱れ等)
・取引先等とのやりとりにおける細かな調整を要する(機器・環境の違い等)
・顧客や取引先との打合せや交渉の進め方 など

2)仕事の進め方や環境に関係するもの
・書類のやりとり(電子化、ペーパーレス化されていない)
・社内外の押印文化
・社内システムへのアクセス
・仕事と生活の境界が曖昧になって働き過ぎる など

業務の生産性を上昇させる要素はいくつかありますが、今回は、「業務効率の改善」の視点から、調査結果により判明した要因別に対策を考えます。

3.  業務効率を低下させる要因と対策

社内外のコミュニケーションが取りづらい

主に、前段落で紹介をした「1)コミュニケーションに関係するもの」に分類されるものです。

コミュニケーションに関係するもの

要因と課題、対策をまとめると、上図のようになります。

テレワークでは、社内勤務のように質問や相談が気軽にできず、社内の情報から孤立してしまう可能性があります。そうした知識格差を生まないようにするためには、コミュニケーションの機会を意識的に増やすとともに、社外にいても情報をかんたんに共有したり、入手したりできる環境を整える必要があります。

また管理職と部下との間での1対1のミーティングを定期的に実施し、部下の育成や目標達成の手段としてミーティングするだけでなく、テレワークにおける部下の悩みを拾い上げて必要な支援を行い、同時に部下が抱える不安やストレスを緩和するのも有効な対策です。

このようなコミュニケーション活性化のため、メンバーがどこからでも会議に参加できるWeb会議システムを導入することは有効です。これにモバイルデバイス、大型モニター、オンラインストレージなどを組み合わせることで、会議の完全なペーパーレス化の実現も可能になります。会議に必要な資料はあらかじめメンバーにデータで配布しておき、参加者はモバイルデバイスで閲覧します。参加者の画面へ大型モニターの画面を投影すれば、まるで全員が同じ部屋にいるかのように会議を進めることができます。

ここでのポイントは、出社時と同レベルのコミュニケーションが行えるような環境整備を行うことです。そのためには、用いるICTツールの選定が重要となります。たとえば、Web会議システムであれば、社外の方も参加でき、シンプルな使い心地のものがよいでしょう。

社外からのICT利用が制限される

これ以降の要因は主に、「2)仕事の進め方や環境に関係するもの」に分類されるものです。

仕事の進め方や環境に関係するもの

テレワークでは、社外から社内システムや社内に保管されているデータにアクセスする必要があります。しかし、それは同時に情報流出などのリスクが高まることにもつながります。モバイルデバイスの紛失や盗難リスクはもちろん、悪意のあるソフトウェアや盗聴、不正侵入などさまざまな情報流出リスクが考えられます。情報セキュリティへの配慮は必要ですが、厳重にし過ぎれば使い勝手が悪くなり、社外で社内と同じように円滑に業務を行うことができなくなってしまいます。

対策のひとつは、仮想デスクトップなどを利用し、セキュアで利便性の高いアクセスを実現することです。仮想デスクトップの場合、データはデータセンターに保存されるためセキュリティ面のリスクが低く、パソコンなどに障がいが起こったとしても保存したデータに影響がおよびません。また、使用するにあたってデバイスや場所の制約を受けないことや、OS・アプリケーションの管理・バックアップを一元的に行うことができる点に優位性があります。

また、社員がローカルにデータを保存すると、情報流出のリスクが生じることとなります。特に、営業などパソコンを持ち歩いて移動するスタッフは、悪意がなくてもデバイスを外出先に忘れたり、落としたりするリスクがあります。このような課題に対しても、仮想デスクトップ環境は有効です。ローカルパソコンと変わらない感覚で操作し、さらに高いセキュリティレベルを確保することができます。

とはいえ、テレワークに適したパソコンや機器の購入、ネットワーク環境の整備は、テレワークを実施する従業員側にとっても大きな課題です。テレワーク手当などの形で社員に支給するケースも増えており、状況に応じて検討していく必要があります。

「紙」と「印鑑」による事務処理のために出社を余儀なくされる

「紙」と「印鑑」による事務処理のために出社を余儀なくされる

テレワークを阻害する大きな要因が紙の使用です。たとえば、社外から紙の注文書や契約書が郵便やFAXで送られてくる場合、担当者が出社して郵便物を開封する必要がありますし、注文内容や契約によっては、自社で捺印した書類の返送が必要な場合もあります。
また、領収書などの紙が添付された紙ベースの経費精算書の作成、承認、支払いなどの対応のためには、担当者だけでなく、管理者、経理などの関係部門までもが出社を余儀なくされます。

このような課題への対策として、紙を1枚でも減らすように、取引先や顧客にも依頼し、はじめから電子データ(電子書類)でのやりとりを進める必要があります。とはいえ、いきなりPDFなどの電子データに切り替えるのは相手の都合もあり困難です。しかし、コロナウイルス感染症対策が契機となって、電子データ化を実現するための理解や協力が一段と進むことが期待できます。

ペーパーレス化を推進した後も、データがどこに保存されているかが把握できないと、肝心な時に必要な書類が参照できず、業務に支障が出ます。文書管理システムやオンラインストレージシステムは、文書の自動分類や一括管理が可能です。これにより検索性を高めるとともに、アクセス権限設定とそれにもとづいた管理によって、セキュアな環境でデータを保管することが可能になります。

働き過ぎを招きやすい

アンケート結果によると、生活と仕事の境界線が曖昧になることで働き過ぎてしまう社員も一定数います。このような状態を防止するためには、労働を客観的に管理するシステムを使い、労働時間の客観的な管理をおこなうだけではなく、ルールを定めることも必要です。

たとえば、夜間に受信したメールに対する対応など社員の勤怠管理のルールを明確にすることです。上司から夜間に送られてきたメールに対しては、翌日に対応してもよいといった、新たな勤務環境に配慮・対応したきめ細かなルール作りが働き過ぎを防止します。また、パソコンのログ管理システムなどを用いて、一人ひとりの利用実態を把握することは、テレワークの先進企業の多くで採用されています。

4.  テレワークの生産性低下を防ぐ

ここまで、業務効率を低下させる要因から、必要な対応策を考えてきました。業務のデジタル化の範囲を広げ、目的に合ったICTツールを選択することで、テレワークにおける業務の効率化、処理時間の短縮、コストの削減などが実現します。

もちろん前半で取り上げたとおり、テレワーク導入直後の生産性の低下は、実際に起こっている問題です。しかし、今回ご紹介したような取組みで、今後の生産性を向上させることは、十分可能といえます。

導入に関するコストについても、現在はクラウドサービスの普及により、高品質でセキュアなICTツールも登場しています。月額のサブスクリプション型サービスなら、導入費用が安価かつ、導入済みの基幹システムなどに大きな変更もなく使える場合が多いです。
つまり、中小企業でも取り入れやすい環境がそろっているといえるでしょう。

ICTの活用によって生産性の向上を図り、ICT以外の領域では、従業員が働きやすい環境整備を行うことで、従業員満足度や社外イメージの向上といった副次的な効果が発揮されていきます。
現在はテレワークの導入に至っていない場合でも、改めて自社への導入メリットを検討してみてはいかがでしょうか。

つぎのコラムでは、今回ご紹介したWeb会議システム/仮想デスクトップのなかでも、まさにツールの選択条件に合うサービスをご紹介いたします。テレワーク導入のメリットを感じているものの、自社でツールが使いこなせるかどうかなど、不安を考えている方は、ぜひご覧ください。

   

関連するコラム
  • 記事を読む
どうすればIoTで工場をデジタル化できるのか?

デジタル技術が日々進展する現代は、「第4次産業革命」と呼ばれる産業構造の変革が起きている真っ最中です。各産業とも、新たなビジネスモデルの構築が求められていますが、日本のモノづくりを支えてきた中小製造業も例外ではありません。今回は中小の製造業が、IoTの導入でビジネスを変革する方法を考えてみましょう。

  • 記事を読む
IoTは、製造業に何をもたらしてくれるのか?

短い時間で多くの成果を得る「生産性改善」は、働き方改革が叫ばれる現代のビジネスシーンでは、とかく企業の課題として挙げられがちです。もちろん、生産性改善が求められるのは、製造業も例外ではありません。最近では、工場のさまざまな機械にIoTを搭載し、データを取得することで、製造ラインの生産性改善を図ろうとする動きも出ています。

  • 記事を読む
勘・経験・度胸に「IoT」を足せばもっと現場はよくなる

日本はこれまで“ものづくり大国”として成長してきました。しかし、多くの現場では、熟練者のKKD(勘・経験・度胸)に頼ってきたため、ベテランの引退とともに、日本のものづくりも限界を迎えてしまうかもしれません。この限界を乗り越えるためには、「KKD」に「IoT」をプラスすることが重要です。

  • 記事を読む
中小企業は「IoT」でデジタル化を始めてみよう

技術の進歩は著しく、たとえ中小企業であっても、最先端のデジタル技術をうまく使えば、企業価値をさらに高めることが可能です。しかし現実には、昔ながらの経験や勘に頼った方法でビジネスを続けてしまっている中小企業が多いかもしれません。今回は中小企業におけるデジタル技術の重要性について、製造業におけるIoTを例に説明します

関連する導入事例
  • 記事を読む
定型業務に費やす時間を減らし、医療の質を向上

県民の健康を日々支える奈良県総合医療センターのスタッフの多くは、積み重なるパソコン作業により、長時間労働に陥っていた。これを解消した純国産RPA「Winactor」とは?

  • 記事を読む
トラックの位置情報を一括表示して稼働率アップ!

岩手県から鹿児島県まで73支社を持つ富士運輸。DoCoMAP導入で、課題だった空車回送率を16%も削減。さらに、点呼の電話が不要になりドライバーの負担も取り除くことに。

  • 記事を読む
クラウド型ビジネスツールで市議会運営を効率化

秋田市議会の運営を行う議会事務局。2018年度にタブレットを導入したが連絡業務に費やす時間に頭を悩ませていた。しかし、Gsuiteの導入により議員との意思疎通もスムーズに。他にも多様なビジネスツールが事務局職員を助けている。

  • 記事を読む
訪問看護の経費処理を自動化して業務負荷を軽減

介護・医療事業を営む株式会社あすかは、訪問スタッフの勤務形態を工夫している。その一端としてドコモのクラウドツールを活用し、事務処理稼働の削減に成功した。

関連するダウンロードコンテンツ

テレワークのためのIT 環境導入の手引き

場所と時間を選ばない働き方「テレワーク」。この働き方を推進するうえでは、そのためのIT環境を整える必要があります。その方法をまとめてご紹介します。
ダウンロードコンテンツ

画像をクリックすると拡大表示します。

メールマガジン登録

Biz Solution by docomoでご紹介する導入事例や最新ビジネストレンドなどの記事を無料でご案内いたします。

お問い合わせやご相談はこちら

サービスについて詳しくお知りになりたい場合は、
メールまたはお電話でご依頼ください。