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2020年7月21日

経理・財務担当がテレワークを実現するには

経理・財務のスタッフの半数近くが、テレワーク中に出社を余儀なくされていることがわかりました。「紙」を使った業務が、オフィスでの勤務を必要とする大きな要因でした。

1.  新型コロナウイルスによる経理財務業務への影響調査

一般社団法人日本 CFO 協会(以下「日本CFO協会」)は、企業のCFO(最高財務責任者)をはじめ、経理・財務部門の幹部を対象にした「新型コロナウイルスによる経理財務業務への影響に関する調査」を実施しました(*1)。

※図1~5についても上記資料をもとに編集部にて作成

今回の影響調査は、2020 年 3 月 18 日~ 2020 年4月3日に実施され、241名から回答がありました。当コラムでは、この調査結果に基づき、企業の経理・財務部門が抱える課題や、課題を克服するために必要な取組みを解説します。

まず、2020年の2月~3月のテレワークの実施状況(図1)について、「強制的に実施」が7%、「強制していないが強く推奨」が34%、「推奨しているがあまり実施せず」が28%、「実施も推奨もせず」が26%、「その他」が5%という状況です。

図1:2020年の2月~3月のテレワークの実施状況

また、テレワーク推奨期間中に、経理・財務のスタッフの半数近くが出社を余儀なくされていることがわかりました。テレワークを実施または推奨した約69%の企業のうち、「テレワーク実施中に出社する必要が発生した」という回答は 41%でした。

図2:テレワーク実施中に出社する必要が発生しましたか?

 

2.  テレワーク中に出社が必要になる理由

出社理由のなかでは、「郵便物の発送・受取のため」という回答が最も多く、「押印が必要なため」「業務で紙の書類を使うため」という回答も多く見られました。紙を使う業務としては「紙で来た経費精算書の確認・承認」「証憑書類の原本チェック」などがあげられたほか、決算業務や振込処理といった経理・財務特有の業務によって出社していることがわかりました。郵便物については、取引先からの請求書の受け取りが多く、取引先との関係から出社せざるを得ないという課題が見えてきました。その他には、「社外に持ち出せるPCがない」「会計システムを使うためには会社のPCが必要」といったIT環境に関する理由もありました。

テレワークを実施しなかった約3割の企業では、「書類や証憑証跡のデジタル化がなされていない」「外部関係者(銀行・監査法人・税理士・社労士・システム会社・コンサルティング会社など)とのリモート対応が不可能」「自部門、関連する部門にWeb 会議ツールがない」「PC を家に持ち帰ることができない」「会計システム含む社内システムがクラウド化されていない」「外部から社内の業務システムにアクセスできない」などの理由が挙げられています。

 

3.  テレワーク化を阻害する「紙」

紙を使った業務プロセスの存在が、オフィスでの勤務を必要とする大きな要因になっています。テレワークを実施していない企業では、77%が「紙の書類や証憑」が実施のネックとなっています(図3)。テレワークを実施している企業でも「紙の書類や証憑」がデジタル化されている割合は、わずか36%に過ぎません(図4)。

図3:テレワークに必要な以下条件において未対応の項目を選択してください(複数選択可)

 

図4:テレワークの実施が可能な理由を教えてください(複数回答)

 

4.  緊急時、平常時ともに高まるテレワークへのニーズ

今後、震災などの緊急時に備え、テレワークができる体制が「非常に必要」が 69%、「どちらかというと必要」が 27%で、合計96%に達しました。また、平常時においてもテレワークを「ぜひ導入すべき」「導入すべき」の合計が75%でした。テレワークに対する需要は緊急時だけでなく平常時でも高まっています。

図5:今後震災など、緊急時におけるテレワークができる体制を必要と感じますか?

 

5.  経理・財務業務のテレワークを実現するためのアプローチ

働き方改革の推進や、非常時における対策の観点から、時間や場所に縛られないテレワークのニーズが高まっています。それでは、どのように経理・財務業務のテレワークを実現すればよいのでしょうか。

次のような、紙を使わない電子化+ICT化が、経理・財務部門のテレワークを阻む壁を乗り越え、テレワーク時代にふさわしい経理・財務業務を実現します。まず、テレワークを阻む最大の壁となっている紙の電子化に取組みます。ペーパーレス化が実現できれば、経理・財務部門の担当者がテレワーク中に出社する必要性は下がります。さらに、ICT化により、テレワーク時代にふさわしいクラウド型業務システムを構築します。

1.帳簿・書類、経費精算書・領収書などの電子化
経理業務で使用する帳票類を電子化します。理想的には経理業務全体をシステム化して、紙の帳票を使わないことです。実務では帳票を印刷して費目などをチェックすることも考えられますが、できる限り電子化することで、円滑なテレワークを実現します。

精算書・領収書などの紙を、スキャナーによって電子データに変換します。手間がかかるように思えますが、スマホをはじめとするスキャナーの性能とデータの取込み・保管の機能は著しく進化しています。膨大な量の領収書をオフィスで抱えずに、業務には電子データを使い、現物領収書の管理は別途行うようにすることが効率的と考えられます。

2.ICT環境の整備(パソコン、ネットワーク、クラウドサービスなど)
テレワークに対応したパソコン、セキュリティを強化したネットワーク、クラウド型業務システムなどが、円滑なテレワーク環境を支えます。

自社でテレワークに対応するICTを構築すると、コストがかかるだけでなく、ICTの専門知識も必要です。それに対して、初期費用がほとんどかからず、わずかな月額使用料金だけで利用できるのがクラウドサービスです。インターネット上に自社専用のICT環境を構築して、アクセスが許可されている利用者だけが、ファイルサーバーやデータベース、ネットワークを利用できます。セキュリティに強く、安全性も高いため、情報漏えいなどのリスクが下がります。

クラウドサービスを使えば、低コストで経理用のサーバーを構築できます。クラウド型の会計ソフトの場合は、インターネットにつながるパソコンさえあれば、離れた場所からでもアクセスできるので、テレワーク化が容易です。

 

6.  経理・会計業務のICTサービスの導入シナリオ

交通費精算、出張旅費精算、交際費精算など、経費にかかわる処理を一元的に管理して、請求書発行・送付の電子化、社内申請・承認の電子ワークフロー、Web会議やチャットなどのコミュニケーションツールを組み合わせたシステムを構築することで、一般社員、管理職、経営者、経理部門など、すべての利用者がシステム導入のメリットを享受できるようになります。

一般社員
指定された紙の社内様式に合わせて記入するといった経費の申請や精算が、アプリケーションを用いて社外からでもかんたんにできるようになります。
サービスによっては、申請内容の確認や振り込み状況の確認なども容易に行えるため、オフィスに戻る必要がなくなります。移動中などの隙間時間にスマホを使ってこれらの処理を行えば、生産性向上にもつながります。

経営者・管理者
机の上に承認を求める書類が山積みされる状態から解放されます。承認すべき申請の一覧から承認することが可能になり、承認漏れ防止にもつながります。交通費などの経費申請では、乗降区間と金額の自動チェック機能などにより、承認にかける時間を削減しながらも、人的ミスの防止にもつながります。

経営者の立場にある方も、経営に大きな影響を与える経理データを、ツールによりビジュアル化した形式で迅速かつ正確に把握することが可能になります。

経理部門
ペーパーレス化やクラウドサービスの利用により、経費を紙からExcelや会計ソフトに転記するといった手間のかかる作業が不要になるため、在宅勤務などのテレワーク推進につながります。また、経費申請のチェックや、申請ミスを差し戻すといった時間が削減され、業務効率の向上にも寄与するでしょう。さらに、集計作業や管理者への報告のためのレポートといった、データの二重入力からも解放され、人的ミスが排除されるため、手間も時間もかかる会計業務の負担を軽減します。

これからのICTに求められるのは、営業担当など特定業務のみのテレワークの実現ではなく、経理・財務部門といった従来オフィス外では業務遂行が難しいと考えられていた担当にも対象範囲を広げていくことです。
一気にデジタル化を全社規模で実現する必要はありませんが、社内状況に応じて検討していくことで、社内のすべての利用者に対してメリットをもたらし、働き方を変革していくことが可能です。

ドコモが提供する「マネーフォワードクラウド経費」は、まさに前述した導入シナリオを実現するサービスとなっております。銀行やクレジットカード会社、交通機関だけでなく、カフェやレストランなど、さまざまなデータを自動で取り込むことも可能です。実施が難しいと考えられている経理業務のテレワーク化を強力に支援するツールとなっておりますので、ぜひ導入をご検討ください。

他にも、ドコモでは新型コロナウイルス感染症対策を契機とした社会変化や、NewNormal時代に対応するICTソリューションを「社会変化に対応するソリューション特集」として実用例と共にご紹介しています。

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