2020年6月10日

働き方改革関連法に適切に対応できる“クラウド勤怠管理”とは

2020年4月から中小企業にも、働き方改革関連法による「残業時間の罰則付き上限規制」が適用されます。正確な労働時間の把握・管理の手段としてクラウド型勤怠管理システムが注目されています。

1. 2020年4月より、中小企業でも残業時間削減が義務化

 「残業時間を適正化しないと、罰則を受ける!?」——いま中小企業経営者の頭を悩ませているのが、2020年4月から義務化された働き方改革関連法への対応です。

 働き方改革とは、少子高齢化による働き手の減少や、現役世代の育児・介護の両立といった課題解決に向け、「働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすること」を目指して政府が推進してきた取り組みです。働き方改革関連法とは、この取り組みを推進するために整備された法律のことで、2019年4月から施行が始まりました。例えば「5日間の有給休暇取得の義務化」「フレックスタイム制の見直し」などは、企業規模によらず、全企業で実施を義務付けられている項目です。

 こうした中、これまで大企業のみに適用されていた「残業時間の罰則付き上限規制」(*1)が、2020年4月より中小企業でも義務化されることになりました。これは「残業時間は原則で月45時間を上限とし、年間360時間以内、繁忙期でも休日労働を含め月100時間未満の労働時間とする」と定めた法律で、これに違反すると、6カ月以下の懲役または30万円の罰金が科される恐れがあります。
(*1)厚生労働省 働き方改革特設サイト 時間外労働の上限規制

 残業ありきの仕事量を社員に課しているのであれば問題ですが、業務内容によっては複雑なシフトが必要だったり、月末に集計しないと残業時間がわからなかったり、直行直帰が多く勤務時間を正確な管理が難しかったりと、さまざまな事情で勤怠管理が大雑把になっているケースは意外と多いもの。ですが2020年4月以降もそのやり方を続けていて、もし法律に違反しているところがあれば、「気付かなかった」では済まされません。経営者自身に罰則が科されてしまうからです。

2. 正しい勤怠管理こそ、真の働き方改革

 働き方改革関連法を遵守するには、まず勤怠管理のやり方を見直すことが第一歩です。誰がいつ、何時間働いたのか、客観的なデータとして管理していないと、法律に基づいた適切な働き方が実現できません。

 ところが、そもそも勤怠管理ができていない企業があるのも事実。タイムカードはあるものの、遅刻や早退、有給の把握に使うだけだったり、タイムカードの押し忘れがあったり、口頭や手書きで修正があって集計に時間がかかったりすることも珍しくありません。Excelなどで社員の勤怠管理を行っている企業もありますが、月末に担当者が1人で集計を行い、勤怠状況をリアルタイムに管理できないといったケースもあります。また、人力のチェック・集計によるミスが発生するリスクもあります。最悪のケースは、勤怠管理のExcelファイルを誤って破棄・削除してしまうというもの。いずれにしろ、人手や時間をかけて行う勤怠管理は、リアルタイム性や正確性、データの管理法に課題があります。

 これらの課題解決に向け、注目されているのがクラウド型勤怠管理システムです。クラウドのため情報を一元化できるので、例えば部門別/企業全体で勤怠管理担当が分かれていても、データの共有が容易です。また最近の勤怠管理システムは、タイムカードではなく、PCやスマートフォン、タブレットなど、働く場所や業務に合わせてさまざまな打刻手段に対応しており、直行直帰の多い職場でも正確な業務開始/終了時間を入力できます。もちろん、月半ばでの各従業員の勤怠状況の集計もできるので、勤務時間が上限を上回りそうな従業員には、休暇取得を勧めるなど、適切な勤怠を提案できます。

図1 クラウド型勤怠管理システムでの勤怠状況確認

クラウド型勤怠管理システムでの勤怠状況確認

多くのクラウド型勤怠管理システムでは、いつでもどこでも勤怠情報を打刻可能。管理者もインターネットが接続できる環境であれば、リアルタイムに勤務状況を確認できる 何より、従業員自身、紙のタイムカードに縛られず、予定に合わせて直行直帰のスケジュールが立てやすくなるので、より業務効率効果が高まります。最新の勤怠管理の導入こそ、真の「働き方改革」となるはずです。

 勤怠管理は重要かつ正確さが求められる業務でありながら、チェックや集計など定期的な管理は煩雑です。下記のコラムでは、これらを主に担う総務部門の負担を軽減するソリューションについて、詳しく解説しています。

 

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