2019年8月30日コラム

経産省が2019年版白書ですすめる令和時代のIT施策

企業の業績は好調も人材不足が深刻さを増す

経済産業省が例年まとめている「中小企業白書」(以下、「白書」と呼ぶ)の2019年版(*1)が、元号が令和へと変わる直前の4月26日に公表されました。平成最後の白書では、中小企業の現状や課題とともに、課題解決に向けたIT施策について言及されています。以下では、そのなかから注目すべきと思われるポイントを厳選して、ご紹介します。

まずは、中小企業の現状と課題から、ご紹介します。白書によれば、2018年における中小企業の経常利益は、2017年と同様に過去最高水準となったと示されています(図1)。

図1:企業規模別経常利益の経年推移

 

ただし一方で、人材不足・人材難はますます深刻化しつつあるようです。上の図1では少しわかりにくいかもしれませんが、実は2017年に比べると2018年における中小企業の経常利益は0.6 兆円マイナスになっています。

その要因のひとつとして白書が指摘しているのが人件費の上昇です。売上高は2017年比で伸びているものの、人件費の影響で経常利益が2017年比でマイナスになったというわけです。これは、最低労働賃金の引上げとともに、賃金を上げなければ、人の確保がかなり困難になっていることの表われといえます。

中小企業の人材不足・人材難は、白書の別のデータからも見てとれます。そのデータが下記の図2です。

図2:従業員数299人以下の企業の大卒予定者求人数・就職希望者数の推移

 

この図のとおり、従業員数299人以下の企業では、2019年大卒予定者の求人倍率は、2018年の約1.5倍である9.9倍にのぼっています。つまり、中小企業の10社の内1社しか、希望する大学新卒者を獲得できない計算になります。

このように人材不足・人材難が続くなか、中小企業における従業員ひとりあたりの労働生産性(付加価値額)も横ばいの状態が続き、大企業との差が開きつつあると、白書では指摘しています(図3)。

図3:企業規模別従業員ひとりあたりの労働生産性(付加価値額)

  • 資料:財務省「法人企業統計調査年報」
  • ・大企業:資本金10億円以上
  • ・中小企業:資本金1億円未満
  • ・付加価値額
     ・2006年以前:営業純益(営業利益-支払利息など)+役員給与+従業員給与+福利厚生費+支払利息など+動産・不動産賃・借料+租税公課
     ・2007年以降:上記に「役員賞与」「従業員賞与」を加えた額
  • 出典: 「2019年版中小企業白書」(経済産業省 中小企業庁)

 

白書では、こうした課題を解決する一手として、データやIoTなどの活用が有効としています。理由は、これらのIT施策によって、経営や業務の効率を大きく変えられる可能性があるからだといいます。また、そのことを裏づけるために、白書には中小企業の成功事例も併せて記されています。そこで次ページからは、これらの成功事例のエッセンスをいくつかご紹介します。

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