2019年4月26日

テレワーク支援の公的制度について

オフィスに出勤せず仕事をするテレワーク。生産性を上げるため、中小企業はテレワークをどう実践すべきかシリーズで取り上げる最終第4回目は、公的支援制度についてです。

1. テレワーク導入のための公的サポート

一億総活躍社会実現のために、内閣府が推進している働き方改革。そのなかで、「ICT(情報通信技術)を活用し、時間や場所を有効に活用できる柔軟な働き方」として「テレワーク」が注目されています。中小企業のテレワークの実践について、一般社団法人 日本テレワーク協会事務局長の富樫美加さん(以下「富樫さん」)からお話をうかがうシリーズ企画。最終回となる4回目は公的支援のご紹介です。

経営者も従業員も、いきなりテレワークを導入するのは、業務の面でもコストの面でも不安があると思います。富樫さんによると、「テレワークの支援は国や自治体でさまざまな制度が設けられているので、ぜひ利用を検討してほしい」とのこと。支援制度は、テレワーク導入のためにかかった費用の一部を助成する制度や、コンサルタントの無償派遣などがあります。こうした制度が、導入をためらっていた重い腰を上げるきっかけとなるかもしれません。

ただし、こうした支援は助成金の支払いまでに時間がかかる場合や、申し込み期限が設けられている場合があるので、早めの検討をおすすめします。支援のための条件や募集期間はそれぞれのリンク先を参照、または各問い合わせ窓口にご相談ください。

2. 支援は助成金や専門家派遣などさまざま

一口に公的支援といっても、テレワーク導入にかかる費用への助成金や、労働環境改善に対する助成金支給、テレワークに詳しい専門コンサルタントの派遣などいろいろあります。申請のための条件などもありますので、ご紹介していきます。

 

【公的支援①】厚生労働省「時間外労働等改善助成金(テレワークコース)」

 

厚生労働省では、生産性を高めながら労働時間の短縮などに取組む中小企業・小規模事業者に対して助成を行っています。「時間外労働に上限を設定する」「職場の意識改革を行う」など5つのコースがあり、そのうち1つにテレワークコースがあります。

テレワークによって時間外労働の削減や、労働時間や有給休暇の改善に取組む中小企業事業主に対して、その実施に要した費用の一部が助成されます。助成を受けられる条件としては、労働者災害補償保険の適用事業主であること、新規にテレワークを導入する事業主であること、その他資本または出資額や常時雇用する労働者数の制限などがあります。また、成果目標が設定され、それを達成することで助成金の額が増えます。

 

【公的支援②】東京都「ワークスタイル変革コンサルティング」

 

東京都内の中堅・中小企業などを対象に、テレワークを推進するための業務改善や、ICTの専門家などのコンサルタントが訪問し、導入支援を無料で受けられます。コンサルティングは最大5回、各回約2時間を予定しているとのこと。

たとえば、ペーパーレスに向けた業務改善、ICT導入と活用のコンサルティング、テレワークのための各種ガイドライン整備のコンサルティング、労務管理のコンサルティングなどが受けられます。

 

【公的支援③】東京都「働き方改革助成金」

 

東京都では、都内企業の働き方改革の気運を高めていくため、「TOKYO 働き方改革宣言企業」制度を創設しています。企業の働き方・休み方の改善に向け、「働き方改革宣言」を行う企業などを募集し、さまざまな支援を行っています。この制度のもと改革宣言をした企業には、助成要件を満たした利用実績があった場合に助成金が支給されます。テレワーク制度・在宅勤務制度、勤務時間インターバル制度といった働き方の改善や、休み方の改善などが対象になります。

 

【公的支援④】サービスデザイン推進協議会「IT導入補助金」

IT導入補助金は、中小企業・小規模事業者などが自社の課題やニーズに合ったITツール(ソフトウエア、サービスなど)を導入する経費の一部を補助することで、企業の業務効率化・売上アップをサポートするものです。

申請には、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が実施する「SECURITY ACTION」の宣言が必要などの条件があります。「SECURITY ACTION」とは、中小企業自らが情報セキュリティ対策に取組むことを自己宣言する制度です。

3. テレワーク推進は地方創生にもつながる

総務省が推進する「ふるさとテレワーク」は、対象に企業だけでなく地方自治体も含まれています。テレワーク導入が進むことで、地方活性化につながるという国の狙いがあります。

 

【公的支援⑤】総務省「ふるさとテレワーク」

 

「ふるさとテレワーク」とは、総務省が推進する地方のサテライトオフィスなどで都市部の仕事をする働き方のことです。地方は都市部に比べ土地に余裕があり地価も安いのですが、長い通勤時間がネックとなります。サテライトオフィスで都市部の仕事を地方でもできるようになれば、土地代の安い地方に人が定住し、地域活性化につながります。

総務省では、このふるさとテレワークにより、現在の、人や仕事が都市部に集中している状況を変え、働き方改革の実現とともに、地方創生に貢献することをめざしています。地方自治体や民間企業などに対し、地方のサテライトオフィスなどのテレワーク環境を整備するための費用の一部が補助されます。

富樫さんは、「こうしたテレワーク支援制度によって設備投資の負担が減るだけでなく、ほかの会社のテレワーク導入事例を参考にできたり、各方面からのアドバイスが得られたりするというメリットもあります。ぜひWebサイトを参照したり、窓口に問い合わせしてほしい」とのことです。

テレワークによって私たちの働き方がより自由で生産性が高まるように、多くの職場環境が改善されることを期待して、シリーズの最終回とさせていただきます。

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