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2020年7月31日

中小企業におけるRPAの活用(製造業編)

RPAは、大手企業だけがメリットを享受できるシステムではありません。中小の製造業でも受注処理や出荷管理など幅広く利用され、高い導入効果を発揮しています。

1.  RPAとは

RPA(*1)は、人が手作業で行っている業務をソフトウェア型のロボットに代行させ、業務の効率化や自動化を実現することです。RPAが効果を発揮する業務には次のような特徴があります。

・定型作業(業務フローが決まっている)
・繰り返し作業(同じ作業が反復される)
・複数の業務システムにまたがるデータの投入作業
・文字の転記などの人為的ミスが起こりやすい作業

今回は、中小製造業において、RPAがどのようなメリットをもたらし、またどのように活用されているのか、具体的にご紹介いたします。

2.  RPA導入のメリット

まず、RPAの導入には、以下の3つのメリットがあるといえます。
1. 業務の効率化・自動化
2. 作業ミスの排除と業務品質の向上
3. 省力化とそれに伴うコストの削減

これらについて、詳しく解説いたします。

1. 業務の効率化・自動化

ロボットは人と違い、疲れることなく連続して大量のデータを処理できます。たとえば、契約書や受発注書などの起票のやりとりや、在庫・出荷管理など、煩雑でデータが多い業務ほど、作業にかかる時間が短縮され、生産性は向上します。

こうして生み出された工数を、さらなる業務効率の見直しや、新製品のアイデアなど、人間でしかできない創造的な業務へあてることも可能となります。

2. 作業ミスの排除と業務品質の向上

ロボットは、業務フローに従って正確に作業するので、作業ミスを排除できます。
また、RPA導入の過程で業務内容が可視化されるだけでなく、業務の品質向上にもつながります。

3. 省力化とそれに伴うコストの削減

社外からメールなどで受信した注文書に記載された事項を社内システムに転記し、受注確認のメールを返信する、といった流れを繰り返す業務を例に考えてみましょう。

1件の受注データ入力にかかる時間が10分、それを月600件処理した場合、年間で1,200時間の作業時間を費やしていることになります。人件費の時間単価が1,200円とすると、140万円以上のコストが発生しています。受注処理には、受注確認メールの配信や、購買データの入力も必要なため、表1のように、それ以上の時間や金額的なコストが発生していることになります。

表1:受注データ処理にかかる工数と人件費

受注データ処理にかかる工数と人件費

1件あたりの作業時間はそれほどでなくても、件数が多い場合、月間や年間といった期間では、想定以上の時間を費やしていることがわかります。RPAを活用することで、これらのコストを大幅に削減できる可能性があります。

3.  活用シーン1:EDI受注処理の自動化

図1:EDI受注処理自動化の流れ

EDI受注処理の流れ

EDI(電子データ交換)は、企業間取引における契約書や受発注書などの帳票のやりとりを、専用回線やインターネット上で処理することのできるシステムです。製造業における下記のような受注処理は、RPAによって自動化できる代表的な業務です。
・Webやメールなどで受信した注文データの基幹システムへの入力
・注文者への、納期回答を含む受注確認メールの送信

現場が抱える課題

・定型業務にもかかわらず人手が必要
受注業務には、取引先や業界ごとに、さまざまなEDIが利用されています。EDIによって通信手段、フォーマット、操作画面は異なります。主要なEDIだけでも、EDIINT AS2、ebXML MS、JX手順、SFTP、全銀協手順などがあり、さらにそれ以外にもあります。従来は、受注処理のシステム化が難しかったため、受注処理は人手に頼っていました。

・業務プロセスが複雑な上に、関係者の間で共有化されていない
注文のメールにはセキュリティロックをかけたファイルが添付され、添付ファイルのアンロック、ダウンロード、基幹システムへの入力(データの転記)、プリントアウトなど、業務プロセスは複雑で、特定の担当者だけが業務内容を理解している状況でした。

・操作ミスを排除できない
メールや添付ファイルの内容を見ながら、データを転記する作業は手作業のため、見逃しや転記ミスなどの人為的なミスが生じやすいという課題がありました。

・勤務時間外の緊急対応が困難
早朝や緊急時など所定労働時間外の急な取引には対応できませんでした。なかには、会社に出社しないと対応できない注文もありました。

RPAによる解決

注文メールなどを受信後に、ファイルのアンロック、データのダウンロード、基幹システムへのデータ入力などのEDI処理をRPAによって自動化できます。これにより、人為的なミスが大きく減ります。また、毎日の受注データの確認漏れが防止できます。
作業を自動化するだけでなく、営業所などで行っていた作業を、本社が一括処理するなど、作業に必要な人員を削減します。

4.  活用シーン2:紙の注文書による受注処理の自動化

RPAによって自動化できる受注処理は、Webやメールによるものだけではありません。お客さまから送られてくるFAXや、郵送されてくる紙の注文書の受注処理も自動化することができます。

現場が抱える課題

FAXや紙による注文書の数が多く、受注担当者は紙を見ながら販売管理システムに情報を入力するだけで、午前中の大半の時間を使う状況でした。季節商品の販売もあり、繁忙期には従業員の増員も。さらに、注文書のなかには手書きのものもあり、O123(オー123)と0123(数字)のように判読が難しい文字もあったため、入力ミスが発生しやすいという課題もありました。

RPAによる解決

紙による注文も、RPAとOCRを組み合わせることで自動化できます。
紙の注文書に基づく受注処理のように、「紙に書かれた情報」をもとにした業務を自動化する場合は、まずOCRを使って情報をデジタル化します。

デジタル化された注文書は、RPAによって商品や契約内容を識別し、基幹システムにデータを自動的に入力します。受注確認メールを自動的に作成して注文主に送信します。

図2:紙の注文書による受注業務自動化の流れ

紙の注文書による受注業務自動化の流れ

 

5.  活用シーン3:在庫・出荷管理の自動化

煩雑な在庫管理業務を自動化し、適切な在庫管理を実現することができます。

現場が抱える課題

在庫管理が煩雑で、正確な状況の把握が困難でした。
責任者が外出していることが多く、製造依頼などの指示がタイムリーに出せずに、欠品することもありました。

RPAによる解決

責任者が社外にいても、安全在庫数、出荷予定、製造依頼などが、メールにより定時に配信されるので、正確な在庫状況が把握できます。
製造依頼など、在庫状況に応じた迅速な対応が可能になり、適正在庫を保つことができます。

・お客さまへの出荷連絡
商品を受注し出荷した場合に、注文を出したお客さまにも出荷情報を知らせます。RPAによって、販売管理システムから出荷明細を出力し、自動的にメールを配信できます。

・出荷状況確認への対応
お客さまからの出荷状況確認に対して、人を介さずに対応することができます。出荷処理の際に、お客さまに問い合わせ番号を通知し、お客さま自身で出荷状況を調べることができるようにします。お問い合わせ対応に割く工数を削減できるだけでなく、お客さまの利便性も向上します。

・販売レポートの社内共有
売上計上後に、社内の関係者に向けた販売レポートを作成し、メールなどを使って情報共有する作業も、RPAによって、定期的に自動的に実行します。

6.  働き方改革の第一歩となる業務の自動化

RPAは、中小の製造業でも受注処理や在庫・出荷管理など幅広く利用されるようになっています。RPAは、ルールや手順が明確な業務に向いているので、導入前に業務を洗い出して、RPAで実行可能な作業に置き換える必要があります。しかし、そのために必要な時間やコストを考慮しても、RPAによる業務の自動化メリットは大きいでしょう。RPAの導入により生み出される業務の改善と自動化は、すべての企業が求めている、デジタル化による真の働き方改革の第一歩となるのです。

ドコモでは、システム開発やプログラミングなどの専門知識が必要なく導入・活用できる純国産RPA「WinActor」を提供しています。
下記コラムでは、そのメリットや料金、導入事例などをご紹介しておりますので、ぜひご一読ください。

    

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