2018年1月22日コラム

【第2話】効果的な企業のメンタルヘルス対策とは(宮川浩一)

中小企業のメンタルヘルス入門

職場の問題解決の取り組みがメンタルヘルスを向上させる

 では、「仕事上の喜びや誇り」、「自由裁量度」、「仕事の複雑さ」、「価値観の共有」を満たす取り組みとは、具体的にどのようなものでしょうか。SOC向上に効果的な手法をひとつご紹介しましょう。

 現在筆者は、生産性の向上や自律な職場風土づくりを目的として、「アクションラーニング」等の、企業に対して各種問題解決プログラムを通じた業務改善指導も行っています。アクションラーニングとは実際の業務上の課題や問題を、チームで情報共有し、解決策の検討を行うものです。参加しているメンバーの多様な視点や考え方によって、根本的な問題点を発見し、解決策を立案し、問題解決するまでを行う取り組みを言います。

 アクションラーニングには様々な手法がありますが、アメリカの多国籍企業GE(ゼネラル・エレクトリック)で行われていたものに「ワークアウト」があります。日本の製造現場で行われているQCサークルのように現場の自発的な取り組みでなく、トップダウンで行われるもので、現場での現実的な問題について検討し、その解決策を実践するものです。一連のプロセスを通して学習効果と成果を得ていきます。理論中心の研修に見られるような学習内容と現実問題との乖離を解消し、経験を通して行動の変化を促すことを目指します。

 ワークアウトの要件として、実際の問題とリンクしていること、試行錯誤の経験をさせること、そのプロセスについて内省・検証を行うことが挙げられます。一般に、メンバーを選出してチーム編成し、具体的な経営課題に取り組む、というスタイルで行われます。この中では、問題の特定と解決策の立案、提案、承認を経て計画・実行まで、すべてチーム自らが対応しますので、まさに先述した「仕事上の喜びや誇り」、「自由裁量度」、「仕事の複雑さ」、「価値観の共有」等SOC向上につながる職場の要素を含むものになっていることがわかります。

 

参考文献

  • ▶ アーロン・アントノフスキー,山崎喜比古 他訳『健康の謎を解く ストレス対処と健康保持のメカニズム』有信堂高文社,2001, p24-7,124-38,149-88,222-5.
  • ▶ 山崎 喜比古 他編『ストレス対処能力SOC』有信堂高文社,2008.

 

 このプログラムを推進するには、半日~1日の時間の確保と、セッションの場をスムーズに進めるためのファシリテーター(チームが効果的に機能しているかチェックする進行役)などが必要です。ワークアウトを行うには多少のスキルは必要ですが、書籍などを通じて実践を積むことで、誰でも取り組めるものです(「GE式ワークアウト」や「アクションラーニング」、「ファシリテーション」などの書籍が参考になります)。全員が一度に参加することは難しいので、数人のメンバーの構成からスタートするとよいでしょう。

 

参考文献

  • ▶ アーロン・アントノフスキー,山崎喜比古 他訳『健康の謎を解く ストレス対処と健康保持のメカニズム』有信堂高文社,2001, p24-7,124-38,149-88,222-5.
  • ▶ 山崎 喜比古 他編『ストレス対処能力SOC』有信堂高文社,2008.

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