2018年1月22日コラム

【第2話】効果的な企業のメンタルヘルス対策とは(宮川浩一)

中小企業のメンタルヘルス入門

ストレス対処能力をアップする「首尾一貫感覚(SOC)」とは

 SOCの概念は、第二次世界大戦中にユダヤ人強制収容所から生還したユダヤ人のフォローアップ研究から誕生しました。アーロン・アントノフスキー博士により提唱された健康生成論(どうやったら健康になれるか)の中核概念です。SOCは3つの感覚から構成されています。

・様々な身の回りの出来事に対し、ある程度予想でき、どのようなものか理解できるという「把握可能感(わかる感)」

・なんとかなる、なんとかやっていけるという「処理可能感(できる感)」

・自分にとって意義ある挑戦とみなせる「有意味感(やるぞ感)」

 

 言葉だけだと難しいのですが,SOCとは自分の生きている世界が「首尾一貫しているという確信の感覚」、「筋道が通っている、腑に落ちるという感覚」です。コヒアレント(coherent:整合性)という言葉で表されることもあります。

 もっとわかりやすく言うと、自分や日々の生活の出来事について、不本意であったとしても「まあ、しょうがないな」「まあ、いいか」と納得して受け入れられる感覚のことです。さらに、不本意な出来事に対して「これには何らかの意味があり、なんとかなるに違いない」という確信を持つこととも言えます。SOCは、持って生まれた素質や性格ではなく、その人の生き方や物事の受け止め方、向き合い方、関わり方、志向性などに大きく影響され、生まれてから後天的に獲得される感覚とされています。

 職場における様々な研究において、このSOCはメンタルヘルスの悪化を防ぐ方向に働くことが報告されています。職場のSOCをテーマにした研究は、米国やヨーロッパをはじめ世界的にも多く行われています。社員1人ひとりのSOCが上がれば、心身の健康も保たれ、企業の生産性の向上、成長につながるとされ、企業として社員のSOC向上に取り組む価値は大きいでしょう。

 SOC向上につながる職場の経験としてアントノフスキーはいくつかの要素を挙げています。その中の主な要素として「仕事上の喜びや誇り」、「自由裁量度」、「仕事の複雑さ」、「価値観の共有」があります。これらを満たす職場環境や仕事の取り組みが、SOCを向上させるのです。

参考文献

  • ▶ アーロン・アントノフスキー,山崎喜比古 他訳『健康の謎を解く ストレス対処と健康保持のメカニズム』有信堂高文社,2001, p24-7,124-38,149-88,222-5.
  • ▶ 山崎 喜比古 他編『ストレス対処能力SOC』有信堂高文社,2008.

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