兵庫県神戸市に本社を持つプラントメンテナンス会社「テクノクラート株式会社」。飲料関係を中心とした食品の専用産業機械やコンベアなどの搬送設備といった生産ラインのメンテナンスを得意としている。代表取締役社長の松岡孝文氏は次のように語る。「今のプラントは24時間稼働が主流になってきています。稼働率90%以上を維持しないと十分な利益率を確保できません。なにか故障が起こってから対応したのでは遅いのです」。そこで重要になってくるのが「予防保全」の考え方だ。繁忙期の前後に定期的なメンテナンスを行うことで、故障をなくし、高い稼働率を維持する。そうしたトレンドを背景に、同社のようなメンテナンス専業会社へのニーズは、年々高まっているという。

 「一つのプラントには、複数メーカーの機器が入っています。個々のメーカーへサポートを依頼するよりも、すべてを一括でメンテナンスできる専門業者に依頼するほうが、効率がいい」。最近では、コストメリットなどの観点から、海外、特に中国や台湾などのアジア系メーカーの機器を導入したいというメーカーも増えてきている。その時課題になるのは、導入後、誰がメンテナンスをするのか、ということ。「われわれは海外のメーカーにも対応しますから、ここにもニーズがあります」。実際海外のメーカーから同社に「御社がメンテナンス業務を受けてくれれば買ってもいい、というお客さまが国内にいる」と、業務提携の相談を受けることがあるほどだ。

職場は全国各地の工場。課題は、コミュニケーション

 自社でプラントを持たず、依頼があった企業のプラントメンテナンスを請け負う。だから同社に勤務する社員の職場は、全国各地のお客さま企業の工場ということになる。「ほとんどの社員は現場に直行します。現場は全国各地にありますから、車に作業道具を積み込んで前日にビジネスホテルに泊まり、翌朝そのまま直行、なんていうことも珍しくないです」(松岡氏)。同社はJR神戸駅前のオフィスビルの中に広いオフィスを持っているが、ここに社員が立ち寄ることはほとんどないという。「ここに移転してきた当初から、オフィスにはほぼ誰もいない状態です」。全員が現場を持ち、技術を活かして働くことは、技術こそが最大の価値であり商品でもあるプラントメンテナンス会社としての事業効率を考えれば当然のことだが、それゆえに生じる課題がある。情報共有と、そのスピードだ。その象徴的な例が、人員配置だ。

 一つの現場はだいたい一週間単位で作業が終わる。翌週はまた別の現場へ、というスタイルで業務が進んでいく。その前提で人員配置を行うのだが、実際には作業が予定通りに進行しないことがある。「ある現場で不具合があって、作業が1日伸びた、とか、逆に意外とスムーズに進んで、予定より1日早く終わる、といったことがしばしば起こります」(松岡氏)。全国の現場の予定変更をなるべく早く把握し、シフトを変更・調整しないと、人が足りなくなったり、逆に余ったりといったロスにつながってしまう。「今日まで仙台で作業していた社員に、明日から九州に行ってもらいたい、なんてこともよくあります」。そうした時の連絡・調整法は、携帯電話しかない。「ですから、何か起こるたびに電話をかけまくっていました。僕だけでなく、それぞれの現場の担当者が、それぞれの考えで、あちこちに。『明日、急に1人必要になったけど、いける?』、『15時ごろにならないと、明日の状況がわからない』。今日、明日の話ですから、やり取りにはスピードが求められる。だからメールではとても追いつかない。しかも、電話をかけても作業中は電話を取れません。休憩時間にならないとつながらない。そのやり取りで、みんなイライラしていたと思いますね」。

神戸駅前のオフィスは、いつも人がいない。今日も社員は全員現場に出ている。

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