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2018年11月9日

渋谷区の教育の未来をタブレットが変えた

渋谷区教育委員会さま

「LTEタブレット」を用いて、教育環境を刷新した渋谷区教育委員会。その変化は子どもたちの学びだけでなく、教員の業務にも表れています。今回はその実情をレポート。

導入前の課題
  • 1 グローバル社会を生き抜く「知恵を身につけた社会人」を育成するためには、時間や場所を選ばず、ネットワークを介して多様な学び方ができるタブレットが必要だった。
  • 2 出席簿を見ながら写しを取るという作業が教師の負担になっていたため、教師の業務量を軽減したかった。
  • 3 生徒たちがあんしんしてタブレットを使用できるよう、セキュアな専用回線の確保やWebサイトの閲覧制限などに取組みたかった。
導入後の成果
  • 1 LTEタブレットの導入により、学校での授業はもちろん、校外学習や自宅などでもタブレットが利用できるようになった。また過去問題の振り返りや単語検索など、生徒たちが積極的にタブレットを活用するようになった。
  • 2 校務支援システムなどを活用したことによって、成績処理や出欠管理などの情報が共有できるようになり、校務の効率化が実現した。
  • 3 「アクセスプレミアムLTE」を導入したことで、セキュアな通信の確保やWebサイトの閲覧制限などの対策が取れるようになり、生徒たちがあんしんしてタブレットを活用できるようになった。
1.  時間や場所を選ばず、多様な学びを

昨今、通信技術を活用したコミュニケーションである「Information and Communication Technology」(情報通信技術)。ITを介した情報伝達は医療介護や教育などの分野にて注目を集めている。

たとえば、教育分野においては、パソコンやタブレットなどが活用されている。教員がパソコンやタブレットを操作して授業をより楽しく、わかりやすくするだけでなく、学校によっては生徒情報の管理にもIT技術が使われているという。渋谷区の公立小中学校においても、「LTEタブレット」を用いたICT環境を導入。その背景について、渋谷区教育委員会の荒井亮宏さんは次のように語る。

渋谷区教育委員会事務局 教育政策担当課長
荒井 亮宏 さん

「渋谷区には区立小学校が18校、区立中学校が8校、およそ8,100名の子どもたち、児童、生徒が学んでいます。渋谷区教育委員会は、グローバル社会を生き抜く『知恵を身につけた社会人』を育成する教育を進めています。そのために必要なツールとして、時間や場所を選ばずに、ネットワークを介して多様な学び方ができる『LTEタブレット』を導入しました」。

現在は、教職員用を含めておよそ8,900台のLTEタブレットが稼働している状況だ。ICT教育推進校である渋谷区立笹塚中学校主幹教諭の庄司直也さんはタブレットを使うようになってから、その利便性についてこう感じているという。

「教員も生徒もLTEタブレットを通じて、お互いに共有フォルダで情報を共有しあえます。校外学習などでは 協働学習ツールというソフトを使って、お互いにそこに書き込みながら状況確認ができていますね」。

各教員はデジタル教科書や自作のデジタル資料をもとに授業を行っている。英語などでは、授業内容をビデオ録画して配信。授業の補足説明を配信を通じて共有しているそうだ。また自宅では学習アプリを使い、毎日教科を決めて宿題を配信している。生徒が宿題を解くと、教員は誰が取り組んだのか、正答率がどのくらいなのかなどを一目で把握でき、生徒に応じた宿題を渡すことができるのだとか。個に応じた学習が進められているなか、庄司さんは生徒の学習に対する姿勢に変化を感じている。

「視覚的なデジタル教科書を使うことによって、生徒に興味を湧かせやすくなりました。学力向上という面では、これまではこちらがプリントを用意しなければいけなかったのに、個人に応じて教材を用意できるので、得意な子にはより発展的な問題を解く時間がたくさん取れますし、苦手な子には基本的な問題をやらせることで、それぞれ学力は上がっていると感じます」。

「LTEタブレット」とは?

docomo LTEを内蔵したタブレットは、これ一台でインターネット接続が可能です。Wi-Fiモデルでは、アクセスポイントのある場所でのみの使用、モバイルルーターを持ち歩くなど、一定の条件が必要になりますが、ドコモの通話回線であるLTE回線を使用できるため、学校なら教室だけでなく、校外や自宅でも学習をすることが可能になります。企業においても同様で、社外や自宅、移動中いつでもどこでも業務を行えます。さらにアクセスプレミアムLTEを導入すれば、セキュリティの高い通信を実現できるため、閲覧制限をかけたり、機密情報の流出を防ぐことが可能になります。

2.. タブレットを柔軟に使いこなす、頼もしい子どもたち

では、子どもたちはタブレットを使うようになって、学習環境の変化をどのように感じているのだろうか。笹塚中学校の生徒に聞いてみた。

渋谷区立笹塚中学校 生徒さん

「最初は戸惑ったこともあったけど、家でもスマホを使っているので、意外にすぐ簡単にできるようになりました。学習アプリはわからないところを動画ですぐに見ることができるし、過去の問題も振り返ることができるから、わかりやすいです。わからないことがある場合は、インターネットを使って調べることができるようになったし、タブレットで授業を見直すことができるようになって、簡単に調べられるようになったと思います」。

普段の勉強以外に校外学習でもタブレットを使うことによって、電車の乗り換えを検索できたり、緊急時に教員に報告できたりする。帰宅後に事後学習で使う写真なども「LTEタブレット」ですべて撮影したものだ。このように子どもたちがタブレットを活用する姿を目の当たりにして、笹塚中学校の渡邊渉副校長は目を細める。

「当校では、生徒総会が年2回実施されますが、生徒総会で全校生徒に配布する議案書を『LTEタブレット』のなかに入れてペーパーレス化しました。実はそうやって活用しようというのは生徒会の役員である子どもたちのアイデアなんです。彼らが与えられたものを自ら最大限に活用していこうとする姿勢には私も非常に感動しましたし、実際に柔軟に対応している姿を見て、非常に頼もしく思います。そういった機会を学校教育のなかで与えてあげられたことは、良かったなと感じますし、ここで得たものは、これから社会に出て生きていくうえで、必ずプラスになるはずだと感じています」。

3. メリットは生徒だけでなく教員にも

タブレットは授業だけでなく、教員の校務においても活用されている。庄司さんは「成績処理や出欠管理などの校務支援システムを使うことによって、いつでもどこでも情報が共有できますし、どの生徒が特定の曜日に休みが多いとか、ある特定の日には遅刻が多いとか、細かいことまで把握ができるようになったのは非常に便利だと思います」と、これまですぐにわからなかったことを把握しやすい環境になったと話す。

渋谷区立笹塚中学校 主幹教諭
庄司 直也 さん

副校長の渡邊さんも「これまでは出席簿を見ながら写しとっていくという作業が多かったのですが、通知表や要録といった書類に対して、一度入力しておくことによってすぐ反映されるので、校務として効率化されている」と手応えを感じている。

このようにタブレットは笹塚中学校において積極的に活用されているが、タブレットが導入された昨年9月に遡ると、教員からは抵抗や不安の声が上がったという。渋谷区が研修を充実したり、ICT支援員を週におよそ2回、半日動員することによって、わからないことの一つひとつを解決。操作方法は慣れれば問題ないが、最も大変だったのは生徒への情報モラル教育の徹底だった。

「今までパソコン室では生徒のインターネットの閲覧を一斉に制御できたのですが、『LTEタブレット』ではそうはいきません。きちんと生徒に使い方と情報モラル教育をしたうえで渡さないと、ルール違反をしてしまって、それが大きな事故や授業中の集中力の欠如に至ってしまうこともあります。そのためにも、肖像権や著作権、SNSについて、警察やICT支援員と協力して授業を行なっています。個人情報をしっかり守るという点では、独自の専用回線がありますので安心して取り組めています」(庄司さん)。

4. 自主性とコミュニケーション能力を養う

渋谷区には、常に時代の最先端を走るイメージが区全体の雰囲気として広がっている。タブレットを活用した新たな学びを推進していくうえで、今後の展望としてどのようなビジョンを掲げているのだろうか。

「私が副校長という立場で日々関わっていますので、生徒の学習面というよりは、校務で先生方の仕事量が削減されていくと思っています。ただ、今の段階はこれまでのやり方と風習が残っていますので、タブレットとあわせて二度手間にはなってしまっている作業もあるんですね。課題も見えてきているので、それをうまくクリアしていこうと前向きに取組んでいきたいと思います」(渡邊さん)。

教育委員会の立場から、荒井さんは「子どもたちの学びに向かう関心意欲を高めるとともに、教員の負担軽減もあわせて推進したい。児童・生徒と教員が向き合う時間が増えていくといいですね」と、効率化だけでなく教員と子どもたちの密なコミュニケーションにタブレットが一役買ってくれることを期待する。

今後もITの進化発展や、AIをはじめとする先進技術は、子どもたちを取り巻いていく。現在の小中学生が社会に出るであろう10年後に、どのような社会になっているのかは誰にもわからない。それを踏まえた上で、荒井さんは「タブレットをはじめとしたICT機器の活用は、それらを日常的に使用することで、子どもたちに生き抜いていくための一つの能力を養う可能性を秘めている」と話し、こう続ける。

「自分自身を表現するプレゼンテーション能力は、生きていく上で欠かすことができないスキルです。ただ、それは一方的に発信するだけのものでは意味がないので、その前段にはコミュニケーションが絶対的に必要です。他人の話を聞く、それを否定せずに受け入れる、咀嚼(そしゃく)して新たに自分の考えを持つ、という能力を、タブレットを利用した教育を通して身につけていってほしいと願っています」。

校外学習にてタブレットで自ら撮影した写真などを、事後学習としてグループでまとめ発表するなど、自主性とコミュニケーション能力を養うことができている。
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