業務効率化に、介護や防犯用のシステムを活用

国際フェリーや大型コンテナ船などが入港する富山新港を小さなフェリーが航行している。富山県が運営する渡船だ。全長16m。富山新港が建設されるまで陸続きだった区間を無料で運航し、地元住民の便利な交通手段として利用されている。渡船が運航するのは朝から夕方までで、夜間は代行タクシーが運行。地元のタクシー会社・海王交通株式会社が代行業務を受託していて、2人体制のシフトを組んでいたと常務取締役の釣谷さんは話す。

「渡船代行業務は時間帯によって運行形態が変わります。午後7:00~午後11:00は30分間隔の定期運行で、決められた時刻にタクシーを運行しますが、午後11:00~翌朝5:00は不定期運行となり、待合所に設置した監視カメラの映像を当社の営業所にいる運行管理者がモニターで見続け、乗客が来たら運転手に指示を出しタクシーを運行していました。不定期運行の乗客は一晩に平均3人ほどですが、運行管理者はモニター前を離れられませんので運転手との兼務はできません。毎日2人で深夜勤務をしていました」(釣谷さん)。

富山県営渡船と、夜間に運行する渡船代行タクシー。

一晩中起きていなくてはいけない渡船代行業務に、昼の勤務を担当した社員を継続して配置するわけにはいかず、人員の確保や人件費の増加が負担になっていた。効率の悪いこの状況を改善したいと思い、釣谷さんはあるシステムの導入を検討した。

「そのシステムの見積もりはとても高額で、当社が渡船代行業務を受託した金額から考えるとあまりにもコスト高でした。そこで、以前からつながりがあったドコモの営業担当者に相談したところ、介護や防犯用に開発されたシステム、みまもりCUBE にたどり着いたんです」(釣谷さん)。

「みまもりCUBE」は設置したカメラの映像がスマートフォンで確認できる。

「みまもりCUBE」とは?

独自の画像認識技術と、カメラ、スピーカー、LTE 通信機能などを一体化した機器を簡単に設置するだけで高齢者・子どもの見守りや、来客の確認、防犯などに貢献するサービスです。あらかじめ設定した、特定の状況や人の危険な状態を、自動で検知しお知らせすることができます。 また、ドコモのSIMカードを内蔵しているため、インターネットのない環境でも電源があればすぐにご利用いただけます。

導入で経費が従来の10分の1に

待合所に来た乗客を検知して、担当者のスマートフォンにメールで通知。

「みまもりCUBE」はもともと介護や防犯向けに開発されたシステムで、搭載されている画像認識技術が徘徊や侵入者を検知し、メールで通知してくれる。このシステムを知った釣谷さんは、渡船代行業務にも活用できるのではないかと考え、導入を決定。渡船待合所に「みまもりCUBE」を設置した。

「設置作業を見ていましたが、インターネット環境が不要なので簡単に設置が終わり、すぐに使えるようになりました。期待どおり、渡船待合所に乗客が来ると、みまもりCUBEから運行管理者のスマートフォンに届きます。監視カメラの映像をモニターで見続ける必要がなくなり喜んでいます」(釣谷さん)。

「みまもりCUBE」の導入は、負担になっていた人員の確保や人件費の増加といった問題を解消。運転手が1人いれば、乗客の確認から渡船代行タクシーの運行までを行えるようになり、渡船代行業務は1人体制に変更された。

「コストを削減できたことは会社的に一番大きなメリットだと思っています。それに加えてみまもりCUBEもコストが安価ですので、代行業務にかかる経費が従来の10分の1ぐらいになりました」(釣谷さん)。

「みまもりCUBE」の導入に際し、少し不安を感じていたという人もいる。事業本部の係長・重吉さんだ。社員のシフトを担当している関係上、操作性が気になったという。

「年配の運転手もいますので、みまもりCUBEからのメールを受信したときにきちんと操作できるか、ちょっと心配でした。でも、導入してみたら操作方法が簡単なので問題ありませんでした。誰でもすぐに覚えられますので、担当する予定の運転手が急に都合が悪くなっても別の運転手がすぐに対応できます」(重吉さん)。

事業本部 係長
重吉 さん

汎用性が高い「みまもりCUBE」の可能性

午後11:00。渡船代行業務の不定期運行の時間。営業所で待機する栗原さんのスマートフォンにメールが届いた。渡船待合所に乗客が来たという通知だ。栗原さんはスマートフォンを操作して、「15分ほどでうかがいます」と乗客に話しかけた。

「監視カメラの映像で乗客の有無を確認していた時は、タクシーが到着するのを待ちきれず帰ってしまう乗客もいました。本当にタクシーが来るのか不安になるらしいんですね。みまもりCUBEにはスマートフォンで渡船待合所の乗客と会話ができる機能がありますのでこちらから声をかけています。あんしんしてお待ちいただけるようになりました」(栗原さん)。

常務取締役
釣谷 さん

多大な効果を発揮する「みまもりCUBE」に、導入を決定した釣谷さんも予想以上だったと驚いている。

「こんなにリーズナブルで、こんなに利用価値があるのかと喜んでいます。今回は渡船代行業務に活用しましたが、将来的には当社が運行しているコミュニティバスの各バス停にも設置しようかと考えています。待っている間にバス停から動いてしまう高齢者もいますので、みまもりCUBEで事前に確認できたら、運転手にとって便利だと思います」(釣谷さん)。

介護・防犯向けのシステムとして開発された「みまもりCUBE」は、遠隔地の乗客を確認するという活用方法で、公共交通機関でも大きな成果を出した。搭載された画像認識技術はこれからさらに多くの業界でも活用されることだろう。

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